M女の隠れ家                                            <小説 淫虫−11>


第11話 地下室の調教 

奈津美が時間に正確なことは、昭もよく知っていた。
2時間後と伝えたから、あと30分ほどで奈津美が昭の家にやって来るはずだ。
昭の家には、父が生きていた頃、趣味にしていたオーディオのための専用のリスニングルームがあった。
大きなスピーカーとオーディオセットが備え付けられた防音設備のある部屋が、地下に造られていた。
昭の父が亡くなってからしばらく使われていなかった地下室のこのリスニングルームには、黒光りするソファがあった。
生前、父がこのソファに体を横にしてクラッシック音楽を聴いていたのを昭は知っている。

いずれ、この使われなくなった地下室を改装して調教部屋を造ろうと昭は計画していた。
防音はもう十分だ。
後は、使われなくなったオーディオ設備を撤去して、鉄格子や梁、拘束具の付いた専用ベッドなどを備え付けるだけだ。
壁はレンガ貼りに変えたほうが、雰囲気が出る。
父の残したこの黒光りするソファは、昭も気に入っていた。
このソファはそのまま残そう。
そんなことを考えながら、リビングから運び込んだSM道具をこの部屋に広げて、奈津美の来るのを待っていた。
もう準備は整っている。

しばらくして、玄関のチャイムが鳴った。
奈津美が、この地下室でこのSM道具で淫らな調教をされるために、自らやって来た。
黒いお気に入りのソファから昭はゆっくりと体をお越し、地下室から階段を上って玄関へと向かった。
玄関には、奈津美が白のぴったりと体に貼り付くようなニットのワンピース姿で立っていた。
「やあ、よく来たね」
「さあ、こっちだ」
奈津美は、まだあの地下室に入ったことはなかった。
昭から促されて、奈津美は地下室への階段を下りていった。
地下室の重い扉を開いて中に入ると、そこには思いもかけない広さの空間があった。
20畳以上も広さのある地下室に黒光りする重厚なソファとテーブルが置いてあり、そのテーブルの上には奈津美が見たこともないいろんな道具が並べられていた。
麻縄や鞭などは、奈津美にもその用途が想像できるが、どうやって何に使うのか分からないものも多数ある。
それらを目の前にして、奈津美は立ちすくんでいた。
昭は、そんな奈津美を見ながら薄ら笑いを浮かべている。
奈津美は白いニットのワンピースの裾を引っ張って、まるでワンピースの短さを伸ばそうとしているかのような仕草をしている。
昭は黒いソファにゆっくりと腰を下ろして、部屋の中ほどで立ちすくんでいる奈津美を眺めていた。
「これは・・・」
奈津美が初めて声に出して、このSM道具のことを昭に聞いた。
「どうだ?」
「すごいだろう」
「僕が買い集めたSM道具だ。これらを使って、これから奈津美をいじめてやろう」
「して欲しいな?」
昭のその断定するかのような声に、奈津美は何も言わずにただコクンと頷いた。
「手に取ってごらん」
昭から言われて、奈津美はおそるおそるテーブルの上に並べられているSM道具に手を伸ばした。
まるで、触れてはいけないもののように、奈津美はそっと指でその中の麻縄をなぞった。
ザラリとした麻縄の感触が、奈津美の床指の先に伝わって来る。
「あ・・・」
小さく声が漏れそうになった。
麻縄から、まるで何か電流でも出ているかのような不思議な感覚が伝わった。
「それが気になるようだな」
昭は、奈津美に近づいて、ワンピースの背中のファスナーに手をかけた。
「いゃ・・」
奈津美が小さな声で抵抗したのも聞かず、昭はファスナーを下げていく。
背中からワンピースがはらりと落ちて、奈津美の白い肌が見えた。
「ほら、脱ぎなさい」
昭のその口調は、まるで奈津美に抵抗を許さないかのような重みがあった。
「はい・・・」
奈津美は、その声に従うしかない、そんな気持ちにさせられていた。
白いワンピースを脱いで、奈津美はそっと床に置いた。
両手で胸を隠すような仕草をして、奈津美は地下室で立っている。
白いワンピースの下は、同じ白のブラジャーとショーツだった。
昭は奈津美の背中にまた手をかけて、ブラジャーのホックを外した。
「え?」
奈津美がいきなりの展開に戸惑っているうちに、ブラジャーを引き剥がされてしまった。
無言で昭は、奈津美の右手首をひねって背中に回した。
テーブルの麻縄を手にした昭は、そのまま奈津美の手首から胸に麻縄を回して、奈津美を縛り上げていく。
「うっ」
麻縄が奈津美の肌に喰い込んでいく。
その喰い込む瞬間、奈津美の脳にまるで麻薬でも射ち込まれたかのようなしびれる感覚が走った。
くらっとして、体がよろけた。
昭の手が奈津美の体を支え、さらにきつく麻縄を巻き付けていく。
奈津美の大きな乳房が、上下の麻縄で絞り出されて、いやらしく歪んでいる。
両手は背中で縛り上げられ、もうまるで自由がきかない。
二の腕に麻縄が喰い込み、しびれるような快感が襲ってくる。
「できたぞ」
昭が、うれしそうな声で言った。
これまで、何度もDVDや本で見ていた縛りが、今実現したのだ。
上半身が裸の奈津美の体に、麻縄が巻き付いている。
奈津美は、股間がジーンと熱くなり、体の奥からトロリとした液体が流れ出てくるのを感じた。
ショーツの中にその液体が流れ出て行く。
ギュッと両足をすぼめて、奈津美はその感覚をこらえている。
それを見透かしたように、昭は奈津美のショーツに指をかけて、グイッと下に引き下げた。
「きやっ」
奈津美が反射的に悲鳴をあげて腰を引いた。
腰を引いたことがショーツを奈津美のお尻を丸出しにしてしまった。
奈津美の白くて丸いお尻が、ぶるんとむき出しになった。
ショーツは奈津美の太ももあたりまで引き下げられ、股間の陰毛が何もなくなっていて小さな割れ目が見える。
太ももまで引き下げられたショーツの内側に、透明な液体が光って見えた。
それを見た昭は、さらに奈津美のウエストに麻縄を巻き付け、おへその位置で縛ってからそのまま股間に麻縄を通していった。
「ヌルヌルになっているぞ」
昭は、奈津美にいやらしい声をかけた。
奈津美の割れ目に指を入れて、麻縄が2枚のラビアの間に挟み込まれるようにして通してから、背中で縛り上げられている両手首に結んだ。
「ほら、これで動けなくなった」
股間縄を一番敏感なところに通され、少しでも体を動かすとその麻縄がラビアの内側と奥を刺激する。
奈津美は、両ひざを強くすぼめ、前かがみになって、体を固くしている。
「動けない」
奈津美は、地下室の床の一点を見つめながら、体の奥からあふれ出てくる熱いものを感じていた。

突然、ドンと奈津美は昭に背中を突かれた。
ソファのほうに奈津美はよろよろと、数歩足を出して行った。
その瞬間、股間のラビアの間にビリビリッとした刺激が走った。
「いやあぁ」
その刺激が奈津美の脳の頂上まで走っていく。
体がのけ反った。
ソファの少し手前で奈津美は辛うじて体が倒れるのをこらえた。
「はっはっはっ・・・」
息が荒くなる。
昭は、奈津美の背中の麻縄をグイッと掴んで、奈津美の体をソファに押し付けた。
頭がソファに押し付けられ、お尻が付きだされるような恰好になった。
ショーツを引き下げられて、丸いお尻がむき出しの姿で、ソファの前に膝をついている。
股間を通した縄が、さらに股間の奥に喰い込んでいく。
ギュッと喰い込む圧力に、奈津美は強い快感を感じた。
ソファに頭を付けて、丸いお尻を突きだしている奈津美の姿を見下ろしながら、昭はテープルの黒い鞭を手に取った。