M女の隠れ家                                            <小説 淫虫−8>


第8話 ベッドの中 

奈津美の予期せぬ返答に、昭は興奮した。
「なぜ、剃った?」

「・・・・・・・・」
奈津美はうつむいたままで、髪が顔を隠している。
髪が小さく揺れ、昭の問いには答えないという意思がその固くした姿勢から感じ取られた。
「まあいい、後でゆっくりと答えてもらう」
奈津美の姿を眺めながら、昭は自分の中にも新しい何かが鼓動し始めているかのように感じた。
もっと、もっといやらしく、今目の前に恥ずかしい体をさらしている女をいじめたい、そんな欲望が昭の中に膨らんでいく。

以前にエロ本で見たことのある縛られた女の写真を思い出した。
あのエロ本を見た時、不思議な興奮を感じたのを覚えている。
縛られて辱めを受け、抵抗できない女を、モデルが演じていた写真だった。
あんな風に縛ってみたい。
昭の中で目覚めたS性が、目の前の奈津美の姿に刺激されてうごめいていた。

だが縛るにしても、この部屋の中にはあのエロ本に載っていたような縄などは存在しない。
昭は部屋の中をぐるりと見渡して、何かそれらしいものはないかと探してみた。
ふとDVDをつないでいる延長コードがあるのに気付いた。
スローテンポの音楽が流れているDVDは、昭がこのリビングに父の死後に持ち込んだもので、コンセントから遠かったために延長コードでつないであった。
昭はDVDのスイッチを切ることもせず、いきなり延長コードを引き抜いた。
急に音楽が止まり、リビングに静けさが広がった。
3メートルほどの延長コードを手にして、昭は奈津美に近づいていった。
奈津美は延長コードを手にした昭の表情に、恐怖と興奮の入り混じった不思議な感覚を感じていた。

「両手はそのまま後ろに回していろ」

「・・・・・・・」
昭の声に、奈津美は黙ってそれに従った。
後ろに回した奈津美の手を、昭は延長コードでぎこちなく縛り上げていく。
初めて縛られる女の手に、延長コードをただぐるぐると巻きつけて縛り上げた。
こんな簡単な縛るという行為だが、昭は興奮で手が震えてしまい、うまく結ぶことができずに、二度もやり直した。
女を縛る、そのことがこれほど興奮するとは、予想もしていなかった。
ドキドキする。
昭は、心臓が激しく鼓動するのを覚えた。

「ああぁ・・・・」
縛り終えた時、奈津美が小さな声を漏らした。
奈津美の身体が小刻みに震えている。
ショーツとブラジャーだけの姿で、しかもショーツを太ももの途中まで引き下げた格好で、恥ずかしい股間をさらしたまま両手を後ろの縛られてしまった。
「手が動かない」
両手を動かそうと力を入れても延長コードで縛られて手が自由にならないことを、奈津美は初めてのように知った。
こんな姿を手で隠すこともできない。

奈津美の身体を縛り終えた昭は、少し奈津美から離れた。
リビングの壁にもたれて、部屋の真ん中あたりに縛られて立たされている奈津美の身体を眺めている。
昭の股間には、ペニスがずっとビンと立ったままの状態だ。
縛られている奈津美の身体が、くねくねとよじれてお尻が踊っているかのように動いている。
途中までショーツを引き下げられた裸のお尻が、白くて丸い形をさらしながら、なまめかしく動いていた。
いい眺めた。
「犯したい」
昭のペニスが、その行為を激しく望んていた。

「そのままの格好で、僕の部屋まで連れて行くぞ」
そう言って昭は奈津美の背中をトンと突いた。
「あっ・・・」
不意に背中を突かれて、奈津美はよろけた。
「ほら、歩いていくんだ」
恥ずかしい恰好のまま縛られている奈津美の背中をまたトンと突いて、昭は奈津美を前に押し出していく。
よろけるようにして奈津美は昭の部屋に向かって歩いていった。
昭の部屋は2階にあり、これまでにも何度もその部屋のベッドで抱き合っている。
奈津美は昭の前を縛られた格好で歩かされ、リビングから出て階段を上り始めた。
階段を昭の先に上がっていく奈津美の白くて丸いお尻が、プリンプリンと揺れている。
昭はその丸いお尻を目の前に見て、自分の意思とはまるで別人のようにその手が動いた。
パシン。
昭の右手が目の前で揺れている奈津美の丸いお尻を叩いた。
「キャッ」
高い声をあげて、奈津美がのけぞった。
今まで昭の目の前でプリンプリンと動いたいた丸いお尻の肉が、キュッと締まった。
パシン。
また昭の手が奈津美の丸いお尻の肉を叩いた。
「キャ・・・」
また奈津美が声を漏らした。
その瞬間、昭の頬に小さな水滴がかかった。
「何だ?」
昭は不思議な思いで、頬をぬぐった。
ふと見ると、奈津美の股間から太ももの内側に光るものが流れ出ている。
「これか・・」
昭は自分の頬にかかったものの正体を突き止めたようだ。
こんなに濡らしている奈津美の姿を、昭はこれまでに見たことはなかった。
奈津美の変化を昭はそれから見抜いた。
昭は階段の途中で、目の前にある奈津美の丸いお尻の肉を手で握りつぶした。
「ああぁ・・」
奈津美の声がなまめかしい。
昭に叩かれたお尻の肉は、その手の形で赤くなっている。

パン。
昭は奈津美のお尻の肉から手を放して、また軽くそのお尻を叩いた。
「ほら、僕の部屋へ行くんだ」
縛られた格好でまた奈津美は階段を上り始めた。

昭の部屋のベッドの前に着いた奈津美は、そこで立ち尽くしている。
縛られたままで、どうしていいのか分からないのだ。
昭は奈津美の背中をドンと強く突き飛ばすようにしてベッドに押し倒した。
ベッドの上に倒れている奈津美の上に昭が覆いかぶさっていく。
手を縛られて自由のきかない奈津美は、昭の愛撫を受けて首を激しく振った。
「いやぁ」
その抵抗するかのような仕草とは裏腹に、奈津美の股間は激しく昭のペニスを欲しがっている。
昭は奈津美の腰の動きで、その欲望を感じ取った。
途中まで引き下げられたままのショーツを、昭は奈津美のスラリと伸びた足からはぎ取った。

このまま奈津美の中にペニスを生で挿入して、激しく犯したいという欲望はとても強い。
そのまま奈津美の中で射精すれば、避妊効果があるという実験虫T−102の人体実験ができる。
今、昭の目の前には裸にされて両手を縛られベッドの上にその美しい体を横たえている女がいるのだ。
この強い欲望を実現できる状況だ。
だが、昭の心の中にはまだわずかに理性が残っていた。
昭はこのまま奈津美を犯すことに、かすかな罪悪感のようなものを感じていた。

「いきなり中出しをして大丈夫か?」
「もし万一、父の日記に書かれていない何かがあったら・・・」
そんな思いが、昭の勢いを弱めている。

昭は、「ふうぅ」と大きく息をした。
こうすることで、このような状況でも昭は自分の心が落ち着くことを経験的に知っている。
昭は自分の机の引き出しから、コンドームを取り出し慣れた手つきで自分のペニスに装着した。

ゆっくりとベッドの上に横たわっている奈津美の体を引き起こし、縛られていた手を解いて自由にした。
これでいつもの状態になったわけだ。
「今日の奈津美はとてもセクシーだよ、いつもよりもずっと、ずっと」
奈津美の髪を撫ぜながら、昭はいつもと同じように奈津美の体を抱き寄せて愛撫する。
「あぁ・・」
奈津美が愛撫に反応する。
昭はいつもと同じようにしているのに、奈津美の反応はいつもより激しい。
「入れて・・・」
奈津美が昭を求めている。
今まで一度も、こんないやらしい言葉を奈津美から聞いたことはなかった。